保坂 俊司

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発売日: 2004-01
発売元: 東京書籍
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仏教、ヒンドゥー教、しいては諸道とヨーガとの接点を見事に描写する名著
『仏教とヨーガ』。摩訶不思議とも一見思える著名である。仏教とヒンドゥー教について、それぞれ別途独学していた私は興味を惹かれ、本書を取った。結論から述べる。私は読後、新たな智慧と大いなる歓喜に包まれたのである。本著はウパニシャドを端緒とするヨーガを第一に観覧していく。次にインドにおける仏教の祖釈尊とヨーガとの綿密な関係を述べ、仏教とヨーガが本来切っても切れない縁を持つ事を解き明かしていく。すなわち、ヒンドゥー系ヨーガの聖典である『ヨーガ・スートラ』を引用しつつ、釈尊の実践した瞑想法こそヨーガそのものに他ならなかったと説くのである。ヒンドゥー教系ヨーガには、ラージャ・ヨーガ、ジュニャーナ・ヨーガ、カルマ・ヨーガ、バクティ・ヨーガ、ハタ・ヨーガ、マントラ・ヨーガ、ラヤ・ヨーガ、ヴィヤーヤーマ・ヨーガ、インテグラル・ヨーガ、そしてクリア・ヨーガ(ババジが復活させたメソッド)などがある。続いてこれらヨーガと密教、禅、及び各大乗仏教との関連を記述後、日本仏教界の宗祖らとヨーガとの縁、すなわち空海とマントラ・ヨーガ、法然とバクティ・ヨーガ、道元とラージャ・ヨーガ、加えて、修禅者明恵の奉じた『華厳教』と『ヨーガ・スートラ』の類似点について、独自性かつ精緻な視点より議論が展開されていく。さらに日本の諸芸道、武士道、能等とヨーガの境地についての考察を経たのち、近代医学(日本の心療内科の祖、池見酉次郎医学博士)との関連性についてもこれを言及、現代では葬式仏教とも揶揄されがちな“仏教”そのものが、元来、梵我一如たる“ヒンドゥー教系ヨーガ“と極縁の間柄にあったことが明らかにされるのである。別途、キリスト教とヨーガについての著書も多数あることから、”真理“とは、一宗教のみではなく、諸宗教における共通部分に存するに違いない。この新しい境地を与えてくれた著書、それが『仏教とヨーガ』である。
ブッダが独創したヴィパッサナー瞑想の文証を『阿難経』に見いだす
序で、“本書の目指すところは、ヨーガを通じて近代以降ほとんど失われた「ブッダへの道」を復興させることである。”と述べた著者は、ゴータマ・ブッダのヨーガの根本に気息(呼吸)のコントロールがあることを指摘する。
そして著者は『阿難経』から、「謂ゆる安那般那の念(出息と入息のこと)を多く修習し已(おわ)らば能く四念処をして満足せしむ。四念処満足し已らば七覚分満足し、七覚分満足し已らば明、解脱満足す。」という文証を引用する。この内容は、パーリ語経典『Anapana-sati sutta』と同じである。
